証券取引所とは?東証の市場区分と株式が売買される仕組みを解説

日本で株式投資を始めるとき、多くの人が最初に触れるのは証券会社のアプリや取引画面だ。だが、上場株式の売買が成立する中心的な場は、アプリの中ではなく、東京証券取引所などの証券取引所にある。

この記事では、上場株式の取引所での売買を中心に、証券会社の注文の先で何が起きているのかを整理する。取引所外取引など別の仕組みも存在するが、まず押さえたいのは、個人投資家の注文が証券会社を通じて市場に届き、売り注文と買い注文が出会うという基本構造だ。

この仕組みを知っておくと、「東証プライム上場企業」「グロース市場に上場」といったニュースの意味が読みやすくなる。現在の東京証券取引所の主要な3市場区分は、2022年4月4日に始まった。名称を覚えるだけではなく、それぞれがどのような企業の特徴を示す枠組みなのかを理解すると、企業ニュースや株式市場の見え方が変わってくる。

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証券会社の画面の先には、注文が集まる市場がある

証券取引所とは、株式などの有価証券を売買するための市場である。日本取引所グループ(JPX)の公式資料では、証券取引所は上場会社と投資家をつなぐ役割を持つ場として説明されている。

個人投資家が株式を買うとき、通常は証券会社に注文を出す。証券会社は投資家の窓口となり、その注文を取引所へ取り次ぐ。取引所では売り注文と買い注文が集まり、条件が合えば売買が成立し、その結果として株価がつく。

つまり、証券会社と証券取引所は役割が違う。証券会社は注文を受け付ける窓口であり、証券取引所は多くの注文が集まって売買が成立する市場だ。

株価が動くのは、企業が一方的に価格を決めているからではない。企業業績、金利、為替、海外市場、投資家心理などを材料に、市場参加者が売買注文を出し、その注文が市場でぶつかることで価格が形成される。

「上場」とは、取引所で売買できる状態になること

株式投資のニュースでは「上場」という言葉が頻繁に出てくる。上場とは、会社の株式が証券取引所で売買できるようになることを指す。JPXの説明では、取引所が会社の株式に対して、取引所で売買できる資格を与えるものとして整理されている。

上場株式は、証券会社を通じて一般の個人投資家が売買しやすい。取引所で売買されるため、一定のルールや情報開示の仕組みも整えられている。

ただし、上場していることは、株価が下がらないことや投資対象としての安全性を保証するものではない。上場はあくまで、市場で売買できる状態を示す制度上の位置づけである。

これに対して、非上場株式は証券取引所で自由に売買される株式ではない。売買相手を見つけにくかったり、投資家が得られる情報が限られたりする場合がある。一般の個人投資家にとって、上場株式と非上場株式では、売買のしやすさや情報の見え方が大きく異なる。

東証の市場区分は、企業の特徴を整理する手がかりになる

日本には、東京、名古屋、福岡、札幌の証券取引所がある。このうち東京証券取引所は、日本の株式市場の中心的な存在として扱われることが多い。

現在の東証には、一般投資家が通常目にする市場として、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場がある。これとは別に、TOKYO PRO Marketも設けられているが、こちらは一般投資家が通常売買する市場とは位置づけが異なるため、初心者向けには同列に考えない方が理解しやすい。

東証の現在の3市場区分は、2022年4月4日に始まった。以前は市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQという区分だったが、区分の位置づけがわかりにくいことなどを背景に見直された。

各市場の基本的な位置づけは、次のように整理できる。

  • プライム市場 機関投資家の投資対象になりうる規模や流動性、より高いガバナンス水準を備える企業向けの市場。
  • スタンダード市場 公開された市場の投資対象として、一定の規模や流動性、基本的なガバナンス水準を備える企業向けの市場。
  • グロース市場 高い成長可能性を持つ企業向けの市場。成長期待がある一方で、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業も含まれる。
  • TOKYO PRO Market プロ投資家向けの市場。一般投資家向けの通常市場とは位置づけが異なるため、詳細な制度理解は別の論点になる。

ここで出てくる流動性とは、株式が市場でどれだけ売買しやすいかを考えるための概念だ。売買が活発で市場に出回る株式が多いほど、投資家は比較的売買しやすくなる。一方、流動性が低い株式では、希望する価格で売買しにくい場面もある。

コーポレート・ガバナンスは、会社が株主や関係者に対して透明で公正な意思決定を行うための仕組みを指す。上場企業には、投資家への情報開示や説明責任が求められる。市場区分では、こうした企業の体制や市場での売買しやすさも重要な要素になる。

プライムなら安心、グロースなら危険とは言い切れない

市場区分を読むうえで避けたいのは、プライム市場を「安全な企業」、グロース市場を「危険な企業」と単純に分ける見方だ。

プライム市場の企業であっても、業績悪化、海外景気、為替、金利、業界構造の変化によって株価が下がることはある。反対に、グロース市場の企業には事業実績がまだ十分でない会社も含まれる一方、将来の成長期待を集める企業もある。

市場区分は、企業を理解する入口にはなるが、投資判断の結論ではない。投資判断で確認されやすい材料には、売上や利益の推移、財務状況、事業内容、競争環境、株価水準、成長戦略、リスク要因などがある。

「東証プライム上場」という表現は、一定の市場区分に属していることを示す情報であり、その企業の株価が今後上がることを意味しない。「グロース上場」も、成長可能性を重視した市場にいることを示すが、必ず高成長が実現するという意味ではない。

市場区分は企業の格付けではなく、企業の特徴を整理するための手がかりとして読むのが現実的だ。

市場区分を知ると、企業ニュースを読みやすくなる

証券取引所の仕組みは、個別株を売買する人だけの話ではない。NISAやiDeCo、投資信託を通じて株式市場と関わる人にとっても、株式がどのような市場で売買されているのかを知ることは、ニュース理解の助けになる。

自分で個別株を買わない場合でも、投資信託の中に日本株や海外株が組み込まれていれば、株式市場の変動と無関係ではない。市場で株価が形成される仕組みを知ると、投資信託の基準価額や企業ニュースの受け止め方も変わってくる。

企業ニュースを読むときにも、市場区分の知識は役に立つ。「東証プライム上場企業が業績予想を修正した」「グロース市場の企業が新規上場した」といった表現は、企業の規模感や成長段階、投資家が確認しやすいポイントを考える材料になる。

また、株式市場は企業業績だけで動くわけではない。景気、金利、為替、海外市場、政策、地政学リスクなど、さまざまな要因が投資家の判断に影響する。証券取引所は、そうした判断が売買注文として集まり、価格に反映される場でもある。

次の焦点は、注文がどう成立するかというルール

証券取引所を理解する第一歩は、証券会社の画面の先に市場があることを知ることだ。個人投資家は証券会社を通じて注文を出し、その注文は取引所へ取り次がれる。取引所では売りたい人と買いたい人の注文が集まり、ルールに従って売買が成立する。

東証の市場区分は、企業の規模、流動性、ガバナンス、成長性を大まかに整理するための枠組みである。ただし、それだけで企業の安全性や将来性が決まるわけではない。市場区分は、企業情報を読むための入口として扱うと理解しやすい。

次に確認したいのは、指値注文や成行注文、価格優先、時間優先といった売買成立のルールだ。どの市場で売買されているかを理解したうえで、注文が市場でどのように処理されるのかを知ると、取引画面に表示される価格や注文状況の意味がより立体的に見えてくる。

出典・参考

主な参照資料

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Person who wrote this article

CFP®/Level 1 Financial Planning Technician
Certified by the Japan Securities Analysts Association
・Primary Private Banker
・Asset Formation Consultant
Certified by the Financial and Financial Situation Study Group
・NISA Trading Advisor

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