預金や債券の利息にはどんな税金がかかるのか

預金利息や債券の利子は、受け取った金額をそのまま「税金と無関係な利益」と見てよいものではない。銀行口座に入った利息、証券会社の支払通知書に載る利子、満期時や売却時に出る債券の利益は、それぞれ税務上の見方が異なる。

身近なのは預金利息だ。普通預金や定期預金の利息は少額に見えやすく、税金を意識しないまま通帳やアプリで入金額だけを確認している人も多い。しかし国税庁の説明では、預貯金の利子は利子所得に含まれ、原則として支払時に税金が差し引かれる。

本稿は2026年5月31日に作成しているが、制度説明は主に国税庁タックスアンサーの「令和7年4月1日現在法令等」とされた情報をもとに整理する。実際の申告要否や例外は、最新の公的情報、金融機関の書類、税理士などで確認したい。

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利息が思ったより少ないとき、まず税引き後かを確認する

預金利息でまず押さえたいのは、銀行から実際に入金される金額が税引き後であることが多い点だ。明細によっては、税引前の利息、差し引かれた税額、税引後の入金額が分けて表示される場合もある。したがって、利息を確認するときは「表示されているのがどの金額か」を見ることが手がかりになる。

預貯金の利子は、原則として源泉分離課税の対象になる。これは、利息を支払う側が支払時に税金を差し引き、それで課税関係が完結する仕組みだ。預金利息について、通常の家計管理で確定申告を意識する場面が少ないのは、この仕組みによるところが大きい。

ただし、「少額だから非課税」という意味ではない。利息が小さいため税金が目立ちにくいだけで、原則としては課税対象になる。金利が意識される局面では、税引前の利息と実際の入金額の差も、家計の受取額を確認するうえで無視しにくくなる。

20.315%は所得税だけの数字ではない

預金利息や一定の債券利子でよく出てくる税率が20.315%だ。この数字は所得税だけではなく、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%を合わせた税率として説明される。

国税庁の説明では、復興特別所得税は2013年1月1日から2037年12月31日までの所得に関係する。このため、利子所得に対する税率の説明では、所得税と復興特別所得税を合わせた15.315%と、地方税5%を組み合わせて示されることが多い。

ここで大事なのは、20.315%という数字を丸暗記することよりも、明細の読み方だ。金融機関の書類では、税引前の利息、税額、税引後の入金額が別々に見えることがある。受け取った金額を確認するときは、どの欄が税引前で、どの欄が手取りなのかを分けて読むと理解しやすい。

債券は「利子」「償還差益」「売却益」を分ける

債券では、預金利息よりも確認点が増える。国債、地方債、公募公社債、上場公社債など一定の公社債は「特定公社債等」として整理され、利子や償還、売却の扱いを分けて見ることになる。

まず、債券を保有している間に受け取る利子は、利子所得として扱われる。国税庁の説明では、特定公社債等の利子等は申告分離課税の対象だが、源泉徴収されているものについては確定申告しない選択ができる場合がある。

一方、満期時に取得価額を上回る償還を受けた場合の償還差益や、満期前に売却して利益が出た場合の売却益は、利子とは別に整理される。国税庁は、公社債の償還金について、一定の例外を除き、上場株式等または一般株式等に係る譲渡所得等の収入金額とみなすと説明している。

債券収益を読むときの入口は、次の3つに分けると分かりやすい。

  • 保有中に定期的に受け取るものは、利子として確認する
  • 満期時に取得価額を上回って戻ってくる利益は、償還差益として確認する
  • 満期前に売却して出た利益は、売却益として確認する

この区分を混ぜてしまうと、年間取引報告書や支払通知書の意味が分かりにくくなる。債券は「利息がもらえる商品」と一言で片づけられがちだが、税務上は利益の出方によって見方が変わる。

すべての債券が同じ扱いになるわけではない

注意したいのは、債券といってもすべてが同じ扱いではないことだ。この記事では、国税庁資料で確認できる特定公社債等を中心に説明している。一般公社債等、同族会社が発行した社債、割引債、外貨建債券などは、個別の条件によって確認点が増える。

公募公社債投資信託も、収益分配金、途中換金益、償還差益で見方が分かれる。J-FLECの一般向け説明では、公募公社債投資信託の収益分配金は利子所得、途中換金益や償還差益は上場株式等の譲渡所得等として扱われると整理されている。

ここでも、商品名だけで判断しないことが大切になる。国債、社債、公社債投資信託などは、見た目には似た収益に見えても、書類上は利子、譲渡、償還といった別の欄に分かれて出てくる。まずは金融機関や証券会社の明細で、どの所得区分として扱われているかを確認したい。

申告の確認は、源泉徴収と口座区分から始める

預金利息は、原則として源泉分離課税で課税関係が完結する。一方、債券は商品や口座区分によって確認点が変わる。

特定口座の源泉徴収あり口座で管理されている特定公社債等については、一定の場合に証券会社側で税金が処理され、申告不要を選べることがある。ただし、申告不要を選べる場合でも、損益通算や繰越控除を検討する場面では、確定申告が関係することがある。

実務上は、次の順番で確認すると全体像をつかみやすい。

  • 口座が特定口座か、一般口座か
  • 特定口座の場合、源泉徴収ありか、源泉徴収なしか
  • 年間取引報告書で、利子、譲渡、償還がどう区分されているか
  • 損失がある場合、上場株式等との損益通算や繰越控除の対象になり得るか
  • 申告不要を選ぶ場合と申告する場合で、扱いがどう変わるか

ここは税務判断そのものに直結するため、一般論だけで結論を出しにくい。年間取引報告書に数字が載っていても、すべての調整が完了しているとは限らない場合がある。個別の判断は、国税庁の情報、金融機関の説明、税理士などで確認するのが現実的だ。

「少額なら非課税」「債券利益は全部同じ」と考えるとずれやすい

預金利息でよくある誤解は、少額なら税金がかからないという見方だ。原則として、預貯金の利子は利子所得として課税される。マル優など非課税制度の対象になる例外はあるが、通常の預金利息は「少ないから非課税」とは整理しない。

20.315%を所得税だけの税率と考えるのも誤解につながる。実際には、所得税、復興特別所得税、住民税を合わせた数字だ。税引前の利息と税引後の入金額に差が出る理由を理解するには、この内訳を知っておくと明細を読みやすい。

債券では、「利子」「償還差益」「売却益」をまとめて利息のように見てしまうと、申告や書類確認でつまずきやすい。満期まで持ったときの利益と、途中で売ったときの利益は、見た目には同じ収益でも税務上の整理が異なる場合がある。

もう一つの誤解は、損益通算が自動で必ず行われるという見方だ。対象となる所得、口座区分、申告の有無によって扱いが変わる。証券会社の書類を確認する際は、数字そのものだけでなく、どの区分に入っているかを合わせて確認したい。

利息や債券収益は、税引き後の入金額まで確認する

預金や債券は、株式より分かりやすい金融商品と受け止められやすい。しかし税金の面では、意外に確認点が多い。

預金利息は、原則として支払時に税金が差し引かれる。債券は、利子、満期時の償還差益、途中売却の売却益を分けて確認する。特定口座や源泉徴収の有無によって、申告不要を選べる場合もあれば、損益通算や繰越控除の確認で申告が関係する場合もある。

この記事の焦点は、金融商品を選ぶことではなく、すでに受け取った利息や金融機関の書類をどう読むかにある。税引前の金額なのか、税額なのか、税引後の入金額なのか。利子なのか、償還差益なのか、売却益なのか。そこを分けて確認できれば、預金や債券の収益を家計の中でより現実に近い数字として捉えられる。

今後、利息や債券収益に関する明細を見るときは、金額の大きさだけでなく、税金が差し引かれる前後のどちらなのか、どの所得区分として扱われているのかを確認したい。制度は商品や個別事情によって変わるため、最終的な申告判断は最新の公的情報と自分の書類を照らし合わせて進めることになる。

出典・参考

主な参照資料

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Person who wrote this article

CFP®/Level 1 Financial Planning Technician
Certified by the Japan Securities Analysts Association
・Primary Private Banker
・Asset Formation Consultant
Certified by the Financial and Financial Situation Study Group
・NISA Trading Advisor

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