株価指数とは? 日経平均・TOPIX・JPX日経400・S&P500をやさしく比較

マーケットニュースや投資信託の説明でよく出てくる「日経平均株価」「TOPIX」「S&P500」「ナスダック総合指数」は、どれも株価指数だ。ただし、同じ「株価指数」でも、見ている市場、対象銘柄、計算方法はそれぞれ違う。

ここが分からないままニュースを読むと、「日本株が上がった」「米国株が下がった」という見出しを、必要以上に大きく受け止めたり、逆に中身を見落としたりしやすい。株価指数は、相場を一言で片づけるための数字ではなく、どの市場で、どの銘柄群が、どのように動いたのかを考える入口になる。

投資信託やETFの説明に出てくる「ベンチマーク」も、多くの場合はこうした指数と結びついている。指数の名前を覚えるだけでなく、その指数が何を代表しているのかを押さえると、ニュースや金融商品の説明はかなり読みやすくなる。

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「株価指数が上がった」は、何が上がったという意味なのか

株価指数とは、複数の株式の値動きをまとめ、市場全体や特定市場の方向感を数値で示す指標だ。個別企業の株価を一つずつ追わなくても、日本株の広い動き、米国大型株の動き、成長企業が多い市場の動きなどを確認しやすくする役割がある。

ただし、指数は市場の「体温計」に近い。相場の変化を素早く見るには便利だが、どの企業がなぜ買われたのか、すべての銘柄が同じ方向に動いたのか、保有している投資信託やETFが同じように動くのかまで、一つの数字で説明できるわけではない。

同じ「株高」でも、日経平均が上がったのか、TOPIXが上がったのか、S&P500が上がったのかで意味は変わる。指数ごとの中身を知ることは、相場を細かく予想するためではなく、ニュースの前提を取り違えないための基礎になる。

日経平均とTOPIXは、同じ日本株でも影響を受けやすい銘柄が違う

日本株の代表的な指数としてよく使われるのが、日経平均株価とTOPIXだ。どちらも日本株ニュースで頻繁に登場するが、対象銘柄と計算方法が異なる。

日経平均株価、いわゆる日経225は、日経インデックス公式の説明では、東京証券取引所プライム市場の国内普通株式から選ばれた225銘柄で構成される価格加重型の指数だ。価格加重型では、株価水準の高い銘柄、いわゆる値がさ株の影響が大きくなりやすい。日経平均が大きく動いたときは、日本株市場の幅広い動きとあわせて、値がさ株の動きも確認材料になる。

一方、TOPIXは、日本取引所グループの公式説明で「日本の株式市場を広範に網羅するとともに、投資対象としての機能性を有するマーケット・ベンチマーク」と位置づけられている。算出方法は浮動株時価総額加重型で、市場で売買されやすい株式を考慮した時価総額をもとに指数化する仕組みだ。

時価総額加重型では、時価総額の大きい大型株の影響が大きくなりやすい。つまり、日経平均は値がさ株、TOPIXは大型株の影響を受けやすいという違いがある。同じ日本株のニュースでも、両方の動きがそろっているのか、片方だけが強いのかで、相場の見え方は変わる。

日本株の指数には、ほかにも次のようなものがある。

  • JPX日経インデックス400は、JPX総研と日本経済新聞社が算出する指数で、公式説明では400銘柄で構成される。資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点などを考慮する設計だが、採用されていることが個別銘柄の投資判断をそのまま意味するわけではない。
  • 東証市場別指数シリーズは、JPXのファクトシートでは、プライム、スタンダード、グロースの各対象市場に上場する内国普通株式全銘柄で構成される指数として説明されている。市場区分ごとの動きを確認する材料になる。

S&P500とナスダック総合指数は、米国株ニュースを読む手がかりになる

米国株のニュースでは、S&P500とナスダック総合指数がよく使われる。日本の読者にとっても、米国株指数の動きは、投資信託、ETF、為替、金利、企業業績のニュースとつながりやすい。

S&P Dow Jones Indicesの公式説明では、S&P500は米国大型株を測る代表的な指数で、500の主要企業を含み、米国株式市場の利用可能時価総額の約80%をカバーするとされている。米国企業のすべてを表すものではないが、米国大型株の動きを見る代表的な指標として使われることが多い。

ナスダック総合指数は、Nasdaq公式の説明では、ナスダック市場に上場する国内外の普通株式を測る指数だ。Nasdaqの指数情報ページでは、2,500社を超える企業を含むと説明されている。テクノロジー関連企業の存在感が意識されやすい指数だが、「ハイテク企業だけの指数」と見ると単純化しすぎになる。

S&P500とナスダック総合指数を見比べると、米国株の中でも大型株全体が意識されているのか、ナスダック上場銘柄が相対的に強いのかを考える手がかりになる。ただし、指数の動きだけで資金の流れや投資家心理を断定するのではなく、金利、為替、企業決算、業種別の動きとあわせて読む方が自然だ。

ベンチマークを知ると、投資信託の説明が読みやすくなる

株価指数は、ニュースだけでなく投資信託やETFの説明にも登場する。日本証券業協会の金融・証券用語集では、ベンチマークは投資信託が運用成果の目安としている指標と説明され、代表例として日経平均株価やTOPIXが挙げられている。

インデックスファンドは、特定の指数に近い値動きを目指す投資信託だ。たとえば、TOPIXに近い値動きを目指す商品では、日本株市場を広く反映する指数をベンチマークにすることがある。S&P500に近い値動きを目指す商品では、米国大型株の代表的な値動きを基準にすることがある。

ここで注意したいのは、指数そのものに直接投資しているわけではないという点だ。実際には、投資信託やETFなどの商品を通じて、指数に近い値動きを目指す仕組みを利用する。商品には信託報酬、指数とのズレ、為替変動、市場リスクなどがある。

「指数に連動する」と聞くと安定した印象を受けやすいが、株式指数である以上、相場が下がれば評価額も下がる。指数の名前だけでなく、その指数がどの銘柄群を対象にし、どのような偏りを持つのかを確認しておくと、商品の説明も理解しやすくなる。

指数は便利だが、相場のすべてを説明するわけではない

指数を見るときに誤解しやすいのは、「日経平均が上がったから日本株がすべて上がった」「S&P500が上がったから米国企業全体が好調だ」と受け止めてしまうことだ。

実際には、指数ごとに対象銘柄、計算方法、構成比率が違う。日経平均では値がさ株、TOPIXでは大型株、ナスダック総合指数ではナスダック上場銘柄の中で時価総額の大きい企業の動きが指数に影響しやすい。JPX日経インデックス400のように、銘柄の選ばれ方に独自の考え方を持つ指数もある。

同じ「日本株が上昇」「米国株が下落」という見出しでも、どの指数を見ているかで意味は変わる。指数は入口として便利だが、そこから業種、金利、為替、企業業績、政策動向などを確認していくことで、ニュースの中身が立体的に見えてくる。

指数名だけでなく「中身」と「偏り」を確認する

株価指数を読むうえで確認したいのは、指数名そのものよりも、その中身と偏りだ。まず、その指数がどの市場や銘柄群を対象にしているのか。次に、価格加重型なのか、時価総額加重型なのか。さらに、どの銘柄や業種の影響を受けやすいのかを見ると、同じ相場でも違った景色が見えてくる。

日経平均とTOPIXは、日本株を見る代表的な入口になる。S&P500とナスダック総合指数は、米国株ニュースでよく使われる手がかりになる。JPX日経インデックス400や市場別指数は、企業の選ばれ方や市場区分ごとの違いを考える材料になる。

指数は、相場を一言で語るための道具ではなく、相場を分解して読むための出発点だ。次にマーケットニュースを見るときは、「どの指数が動いたのか」だけでなく、「その指数は何を代表しているのか」「どの銘柄群の影響を受けやすいのか」を確認すると、見出しの意味を取り違えにくくなる。

出典・参考

主な参照資料

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Person who wrote this article

CFP®/Level 1 Financial Planning Technician
Certified by the Japan Securities Analysts Association
・Primary Private Banker
・Asset Formation Consultant
Certified by the Financial and Financial Situation Study Group
・NISA Trading Advisor

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