公社債投資信託と株式投資信託の違いとは?分類の基本をわかりやすく整理

「株式投資信託」と聞くと、株式だけで運用する投資信託を思い浮かべやすい。だが、日本の投資信託の分類では、必ずしもそう単純ではない。

NISAや証券口座の商品ページ、目論見書の表紙などでは、「追加型/国内/株式」「公社債投資信託」「オープンエンド型」といった分類表示を目にする。この記事では、個別商品の優劣ではなく、目論見書や商品説明を読むための分類の見方を整理する。

ポイントは、分類名を暗記することではない。投資信託が「何を基準に分けられているのか」を押さえることだ。公社債投資信託と株式投資信託の違いも、単に債券型か株式型かという商品イメージではなく、約款上、株式を組み入れられるかどうかという観点から理解すると見通しがよくなる。

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「株式投資信託」は株式だけに投資する商品とは限らない

最初に確認したいのは、「株式投資信託」という言葉の意味だ。

資産運用業協会の制度上の分類では、投資信託は、約款上、株式に投資できるかどうかで「株式投資信託」と「公社債投資信託」に分けられる。株式投資信託は、約款に株式へ投資できる旨が記載されている投資信託を指す。

ここで重要なのは、「株式に投資できる」と「株式だけに投資している」は同じではないことだ。日本証券業協会の一般向け解説でも、株式投資信託に分類される投資信託であっても、実際には株式を組み入れずに運用している場合があると説明されている。

つまり、「株式投資信託」という分類名だけで、中身が株式100%だと判断するのは早い。実際の投資対象が株式中心なのか、債券や短期金融商品を含むのか、複数資産に分散しているのかは、投資方針や組入資産を確認する部分になる。

投資信託の分類は3つの質問に分けると読みやすい

投資信託は、1つの基準だけで分類されるわけではない。目論見書や商品説明を見るときは、次の3つの質問に分けると整理しやすい。

  • 何に投資できるのか 公社債投資信託、株式投資信託という分類に関わる。約款上、株式を組み入れられるかどうかを見る。
  • いつ購入できるのか 追加型、単位型という分類に関わる。運用開始後も購入できるのか、当初の募集期間に限られるのかを見る。
  • 運用期間中に払い戻しに応じるのか オープンエンド型、クローズドエンド型という分類に関わる。換金の仕組みを理解する入口になる。

この3つは、似た言葉が並んでいても別々の分類軸である。たとえば「追加型」は購入できる時期の話であり、「オープンエンド型」は払い戻し可否の話だ。どちらも開かれている印象の言葉だが、見ている対象は異なる。

資産運用業協会は、商品分類が目論見書の表紙などに記載されると説明している。そこでは、追加型・単位型だけでなく、国内・海外・内外といった投資対象地域、株式・債券・不動産投信・資産複合といった投資対象資産も組み合わせて表示される。分類名を1つだけ切り取るのではなく、どの軸の話なのかを分けて読むことが、誤解を減らす手がかりになる。

公社債投資信託と株式投資信託の分かれ目は「株式を入れられるか」

公社債投資信託は、約款に株式には投資しない旨が記載されている投資信託として整理される。公社債とは、国債、地方債、社債などを含む債券を指す言葉として使われる。

一方、株式投資信託は、約款に株式へ投資できる旨が記載されている投資信託である。名称だけを見ると株式中心の商品に見えやすいが、制度上の分類では「株式を組み入れられるかどうか」が分岐点になる。

この違いは、商品説明を読むうえで実用的だ。公社債投資信託だから値動きがない、株式投資信託だから必ず株式だけで運用する、といった読み方では中身を取り違える可能性がある。

確認したいのは、分類名の先にある情報だ。投資対象、運用方針、基準価額が動く要因、費用、換金条件をあわせて読むことで、その商品がどのような性格を持つのかが見えやすくなる。

「追加型」と「単位型」は買えるタイミングの分類

追加型と単位型は、購入できる時期に関する分類である。

追加型は、原則として運用期間中に購入できるタイプを指す。証券会社や金融機関の商品ページでは、「追加型」という表示を見かけることがある。ただし、原則として購入できるという説明であり、個別商品では申込不可日や取扱条件が定められている場合がある。

単位型は、当初の募集期間に限って購入できるタイプである。募集期間が終わると、同じ条件で新たに購入することはできない。商品設計や運用期間があらかじめ定められているものもあり、追加型とは入口の仕組みが異なる。

ここで混同しやすいのが、「追加型」と「オープンエンド型」だ。追加型は購入の話であり、オープンエンド型は払い戻しの話である。商品説明を読むときは、「これは買える時期の説明なのか、それとも換金の説明なのか」と分けると理解しやすい。

「オープンエンド型」と「クローズドエンド型」は払い戻しの分類

オープンエンド型とクローズドエンド型は、運用期間中の払い戻しに応じるかどうかに関する分類である。

オープンエンド型は、原則として運用期間中の払い戻しに応じるタイプとして説明される。ただし、「払い戻しに応じる」といっても、完全にいつでも自由に換金できるという意味ではない。

個別の商品には、申込不可日、換金代金の支払日、信託財産留保額、手数料、海外市場の休場日など、さまざまな条件があり得る。概説としての「払い戻しに応じる」と、実際の商品ごとの換金条件は分けて確認したい。

クローズドエンド型は、運用期間中の払い戻しに応じないタイプとして整理される。換金方法や流動性は商品設計によって異なるため、一般化しすぎない方がよい。分類名だけで判断するのではなく、目論見書に記載された換金方法、換金制限、運用期間の条件を読むことが大切になる。

公社債中心でも元本保証ではない

公社債投資信託という名前には、安定した印象を持つ人もいるかもしれない。だが、公社債投資信託は「株式を組み入れない」という分類であり、元本保証を意味するものではない。

投資信託は、預金とは異なり元本保証の商品ではない。公社債を中心に運用する商品であっても、金利の変動、発行体の信用力、為替、流動性などの影響を受けることがある。国内債券中心の商品と海外債券を含む商品では、基準価額が動く要因も変わる。

一方で、株式投資信託に分類される商品も、分類名だけで性格が決まるわけではない。株式をどの程度組み入れるか、どの地域に投資するか、為替ヘッジがあるか、債券や不動産投信などを組み合わせるかによって、値動きの特徴は異なる。

分類名は、商品を読むためのラベルであって、リスクを一言で決める印ではない。分類を入口にしながら、実際の投資対象、運用方針、費用、換金条件を確認することが、商品説明を読み解くうえで重要になる。

商品説明を読むときは分類名の先にある条件を確認する

投資信託の分類を理解する目的は、用語を覚えることだけではない。目論見書や商品ページに書かれた情報を、自分で読み分けるための土台にすることだ。

「株式投資信託」とあれば、株式だけに投資しているのかではなく、株式を組み入れられる分類なのかを確認する。「追加型」とあれば、運用期間中に購入できる仕組みなのかを見る。「オープンエンド型」とあれば、原則として払い戻しに応じる分類なのかを理解する。

そのうえで、商品ごとの投資対象、リスク、費用、信託期間、換金条件を読む。分類名は入口であり、結論ではない。

NISAや証券口座で投資信託を調べる場面では、商品名やランキングの前に、こうした分類表示が理解の手がかりになる。公社債投資信託と株式投資信託の違いは、その最初の入口だ。商品を比較する場面では、「何の基準で分けた表示なのか」を確認することで、目論見書や商品説明の読み方が一段はっきりする。

出典・参考

主な参照資料

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Person who wrote this article

CFP®/Level 1 Financial Planning Technician
Certified by the Japan Securities Analysts Association
・Primary Private Banker
・Asset Formation Consultant
Certified by the Financial and Financial Situation Study Group
・NISA Trading Advisor

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