革命防衛隊とモジタバ体制——ハメネイ師の後継はイランを変えるのか

アメリカとイスラエルによる攻撃で、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡した。後継として選ばれたのは、その次男モジタバ師だ。しかし、新指導者が何を考え、どれだけの権力を実際に握っているのかは、いまだ不透明な部分が多い。カギを握るのが「革命防衛隊」という組織だ。


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ハメネイ師から息子へ——異例の継承

2月末、アメリカとイスラエルの攻撃によってアリ・ハメネイ師は死亡した。その後、憲法の規定にもとづき、イスラム法学者88人で構成される「専門家会議」が審議を経て、3月9日に次男のモジタバ・ハメネイ師を新しい最高指導者として選んだ。

最高指導者は、イランの政治・軍事・宗教のすべてにおいて最高権威を持つ地位だ。大統領よりも強い権限を持ち、軍の最高司令官でもある。その地位を親子で継承することは、イスラム共和制の建前上は異例とも言えるが、今回は非常事態下の選択として行われた。

3月12日に発表されたモジタバ師の最初の声明は、「この地域のアメリカ軍基地は直ちに閉鎖されるべきで、攻撃を受けるだろう」「ホルムズ海峡の封鎖は確実に継続されなければならない」という内容だった。徹底抗戦の姿勢を改めて示したものだ。

ただ、声明は国営放送のアナウンサーが読み上げる形で発表され、モジタバ師の映像も肉声も公開されていない。攻撃で重傷を負ったのではないかという臆測が広がっているが、実際の状況は外部からは確認されていない。


革命防衛隊とは何か

この状況を読み解く上で欠かせないのが、革命防衛隊の存在だ。

革命防衛隊は、1979年のイスラム革命後に初代最高指導者ホメイニ師の指示で創設された組織で、通常の国軍(正規軍)とは別に設けられている。その任務は、イスラム体制そのものを守ることにある。

総兵力はおよそ19万人とされ、弾道ミサイルの開発・運用、対外的な工作活動、反体制派の取り締まり、周辺国の武装組織への支援など、国の内外で幅広い役割を担ってきた。また、多くの企業を傘下に収め、イラン経済の3割程度を支配しているとも言われており、軍事力と経済力の両面で強大な影響力を持つ。


モジタバ師の「後ろ盾」は誰か

専門家の間では、モジタバ師と革命防衛隊の関係について注目が集まっている。

声明の内容が、ホルムズ海峡封鎖の継続など、具体的な軍事戦略に踏み込んでいたことから、「これは革命防衛隊が作成した声明ではないか」という見方が一部で広がっている。また、そもそもモジタバ師が最高指導者に選ばれた背景に、革命防衛隊の強い後押しがあったのではないかという指摘もある。

新最高指導者は形式上のトップであり、実質的な権力は革命防衛隊が握っているのではないか——こうした見方が専門家の間では有力とされている。ただし、これはあくまで分析の域を出ない。モジタバ師の実際の健康状態も、革命防衛隊との力関係も、外部からは確認が難しい状況が続いている。


体制は「変わる」のか「変わらない」のか

イランの体制がこの戦争を経て変わるかどうかは、現時点で判断できない。

アメリカとイスラエルが期待しているのは、攻撃によってイラン国民の不満が高まり、体制が内側から崩れていくシナリオだ。実際、今年1月には大規模デモが起きていた。しかし、アメリカとイスラエルの軍事攻撃が始まって以降は、国民が体制打倒に動く様子は見られないと報じられている。「外敵への攻撃」が国内の結束を生みやすいという側面もある。

革命防衛隊が依然として治安能力を維持し、反体制的な動きを武力で封じ込めている間は、体制の崩壊は起きにくいとされている。

イスラム体制が存続する限り、イランにとっては「負けていない」とも言える。この構図が、戦争の長期化を可能にする一因になっている。

(本稿は各種公開情報をもとに作成しました。一部数値は記事掲載時点の情報です)

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・Asset Formation Consultant
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