フジドリームエアラインズ(FDA)は、2026年5月発券分の国内線航空券に適用する燃油特別付加運賃を引き上げる。FDA公式によると、5月発券分は2026年3月のシンガポールケロシン市況平均191.2米ドル、為替158.6円を基準に決まり、名古屋(小牧)=山形・高知などのA区分は4月発券分の700円から2800円へ上がる。
今回の値上がりで重要なのは、搭乗日ではなく発券日で適用額が変わる点だ。5月に乗る便でも、4月中に買えば4月発券分、5月に買えば5月発券分が適用される。国内線でも、購入タイミングが総額を左右する局面に入った。
5月発券分で何が変わるのか
FDA公式に基づく主な変化は次のとおりだ。
| 区分・路線例 | 4月発券分 | 5月発券分 |
|---|---|---|
| A区分 小牧=山形・高知など | 700円 | 2800円 |
| B区分 小牧=青森・福岡など | 900円 | 2900円 |
| C区分 静岡=新千歳・福岡など | 1300円 | 3000円 |
5月発券分の算定基準になったのは、3月の燃料市況と為替だ。4月発券分は2月のシンガポールケロシン市況平均88.9米ドル、為替155.1円を基準にしていたため、1カ月で前提条件が大きく変わったことになる。
FDAは燃油特別付加運賃を発券月ごとに見直す仕組みを採っている。利用者にとっては、同じ便でも「いつ買うか」で追加負担が変わる。
背景にあるのは原油高だけではない
今回の値上がりを単純な原油高だけで説明するのは不十分だ。IATAは2026年3月6日付の資料で、中東情勢の悪化がジェット燃料供給の脆弱性を露呈させたと指摘した。ホルムズ海峡を通る物流の停滞や保険料上昇が、精製済み燃料の供給不安を強めたためだ。
さらにIATAは4月17日、欧州では5月末までにジェット燃料不足による欠航が起こり得るとの見方を示した。日本の国内線で起きているのは、遠い地域の地政学リスクが、ジェット燃料価格を通じて運賃の追加負担に跳ね返ってきた事例といえる。
国内線でも制度変更の議論が広がる
現在、国内線で燃油特別付加運賃を適用しているのはFDAだけだ。ただし、この仕組み自体はFDA固有の話ではなくなりつつある。
日本航空(9201)は、2027年4月から国内線への燃油サーチャージ導入を検討していると報じられている。スカイマーク(9204)についても、早ければ2027年春にも導入を検討していると報じられ、金子国交相は2026年4月8日の会見で、JALやスカイマークが早ければ2027年春にも国内線導入を検討しているとの認識を示した。
現時点で一斉導入が決まったわけではないが、国内線でも燃料コストの変動分を運賃本体とは別建てで示す方向が議論されているのは確かだ。
利用者が見るべきポイント
今回のニュースの焦点は、FDAが値上げしたという一点ではない。国内線でも、燃料価格と為替の変動が発券時点の追加負担として見えやすくなったことにある。
旅行や出張で航空券を比べるときは、基本運賃だけではなく、発券月時点の燃油特別付加運賃まで含めて総額を見る必要がある。とくに価格比較サイトや旅行商品の見出しだけでは、追加負担の差が見えにくい場合がある。今後ほかの航空会社にも同様の制度設計が広がるかどうかは未確定だが、国内線の料金の見方が変わり始めていることは押さえておきたい。
(本稿は各種公開情報をもとに作成しました。一部数値は記事掲載時点の情報です)

