ホルムズ海峡で日本人4人下船も42隻なお湾内に 正常化はなお見通せず

4月22日、金子恭之国土交通相は衆議院国土交通委員会で、ペルシャ湾内にとどまる日本関係船舶から日本人乗組員4人が下船したと明らかにした。健康状態に問題はなく、現地大使館員が面会して確認したという。一方で、湾内にはなお42隻の日本関係船舶がとどまり、日本人乗組員16人が残っている。

このニュースは、人道面の前進と、物流危機の継続を同時に示している。日本人の退避は進んだが、ホルムズ海峡をめぐる航行環境が安定運用に戻ったとは言いにくい。

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4月22日時点で確認できること

今回下船した4人に先立ち、3月末には別の日本人乗組員4人が下船し、外務省の支援で帰国した。政府による退避支援の枠組みは機能している。

ただ、船舶側の状況はなお重い。国土交通省は4月10日の会見で、3日から6日にかけて日本関係船舶3隻がホルムズ海峡を通過し、湾内の船舶数が42隻になったと説明していた。22日時点でも、その42隻がペルシャ湾内にとどまっている。日本人乗組員は20人から16人に減ったが、船舶の滞留が大きく改善した局面にはまだ入っていない。

通航は一部再開しても安定運用には戻っていない

ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ要衝で、IMOを紹介した国連ジュネーブ事務局の3月31日付記事によると、世界の石油・ガス供給の約2割がここを通る。ここで通航が滞れば、日本のエネルギー調達や物流コストにも影響が及びやすい。

4月中旬には一時的に通航が戻る場面もあったが、Reutersが4月20日に伝えたところでは、週末の警告射撃や拿捕を受けて船舶の往来は再び大きく細った。通常は1日あたり約130隻が通る海峡で、12時間あたりの通航がごく少数にとどまった時間帯もあったという。部分的に動いた船はあっても、商業航路として平常運転に戻ったとは言いにくい。

日本の海運各社が慎重姿勢を崩していないのも、この不安定さが続いているためだ。安全確認や通航条件の不透明さが残るうちは、待機を続ける判断が一定の合理性を持つ。

なぜ4人の下船が重要なのか

船員は、船が安全に港へ入れなければ簡単に交代も退避もできない。今回の4人の下船は人数だけ見れば小さいが、船が十分に動けない局面でも人を安全に陸へ移す手順が機能したことを示す。

しかも、現場の負荷は日本人だけの問題ではない。国連ジュネーブ事務局が3月31日に紹介したIMOの説明では、ホルムズ海峡周辺では約2万人の船員が約2000隻に乗ったまま足止めされていた。今回の下船は、その大きな滞留のなかで日本人退避が一歩進んだ事例と位置づけられる。

次の焦点は16人の退避と42隻の解消

今後の焦点は三つある。残る日本人乗組員16人の退避がどこまで進むか。湾内に残る42隻がいつ動き出せるか。そして、ホルムズ海峡の通航が一時的な再開ではなく、継続的な商業運航に戻れるかだ。

4人の下船は前向きな材料だが、それだけで危機の出口が見えたとは言えない。日本関係船舶の滞留が続く限り、この問題は船員の安全確保とエネルギー物流の両面で追い続ける必要がある。

(本稿は各種公開情報をもとに作成しました。一部数値は記事掲載時点の情報です)

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CFP®/Level 1 Financial Planning Technician
Certified by the Japan Securities Analysts Association
・Primary Private Banker
・Asset Formation Consultant
Certified by the Financial and Financial Situation Study Group
・NISA Trading Advisor

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