The basis of inheritance measures is "not to worry, to prepare, and to make the most of it"

あなたのかけがえのない財産。次の世代にどう残しますか?

この記事では「もめない・備える・活かす」という3つの柱に相続を考えるうえでのポイントを紹介します。

相続というと、節税や手続きの話が注目されがちですが、もっと大切なのは、どうやったら“家族が安心して活きた財産を受け取れるかどうか”です。

もめごとが起きないように、必要な納税資金をしっかり準備し、財産を次世代に活かしてもらうこと。

それぞれのステップにおいて「自分ならどうしたいか」を考えることが、相続の本質的な準備です。この3つの視点を持つことで、相続は「不安」から「安心」へと変わります。

本記事では、それぞれのポイントを具体的に解説しながら、「相続対策ってどう始めればいいの?」という疑問にお答えしていきます。

相続でもめないために、最初に考えるべきこと

相続を考えるとき、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「税金」のことかもしれません。しかし、相続の現場で最も深刻な問題になりやすいのは、“家族どうしのトラブル”、いわゆる「争族(そうぞく)」です。

「うちは財産が少ないから関係ない」「うちの家族は仲が良いから大丈夫」と思っていても、いざ相続が発生したときに予想外の対立が起きてしまうケースは決して少なくありません。

相続を“もめごと”にしないために、今からできることがあります。


◆ 争族は“特別な人”の問題ではなく、“準備していない人”の問題

相続でトラブルになるのは、決して“お金持ち”や“仲の悪い家族”だけではありません。実際には、

  • 財産の評価があいまいだった
  • 「親が何も言わずに亡くなった」
  • 「思い込み」が家族間で食い違っていた

こうした、ちょっとした“準備不足”が引き金になります。

特に、法定相続分という「法律上の割合」だけで分けようとしても、それが心情的に納得できないケースは非常に多く、

  • 「介護をしていたのに報われない」
  • 「実家に残された人の負担が重い」 など、不満の火種になりかねません。

だからこそ、「話しておくこと」「伝えておくこと」が大切になります。


◆ 遺言書は“争いを防ぐ手紙”

遺言書というと、堅苦しい法律文書のような印象があるかもしれません。 しかし、遺言とは本来、「自分の意思を残すもの」であり、家族に向けた“手紙”のような役割を果たすものです。

特に公正証書遺言は、法的効力が高く、内容の確認や執行もスムーズに行えるため、「もめごと防止策」として非常に有効です。

また、遺言の中に「付言事項(ふげんじこう)」という、法的拘束力はないけれども“想いを伝えるメッセージ”を書き添えることで、相続人の納得感や気持ちの整理にもつながります。


◆ “納得できる分け方”の視点を持つ

相続を「正しく分ける」ことよりも、「納得してもらえる分け方」にすることが重要です。

たとえば、

  • 財産の分け方だけでなく、経緯や気持ちを説明する
  • 金銭的な分配と、感謝の気持ちや労いの言葉を両立させる

といった工夫が、家族のわだかまりを減らす助けになります。

「もめない相続」とは、遺された人が迷わない、納得できるように準備された相続のこと。

その第一歩は、「今のうちに話しておく」「想いを“言葉にする”」ことから始まります。

納税の備えを怠らないために──「払える」ことの現実的な準備

相続では「税金はいくらかかるか」ばかりに目がいきがちですが、実は重要なのは「その税金をどうやって払うのか」という視点です。

不動産が中心の相続では、相続税は現金で支払う必要がある一方、財産は換金しづらい“モノ”ばかり──というケースが少なくありません。


◆ 相続税は「現金で払う」必要がある

相続税は、原則として現金一括払いです(延納や物納も制度上はあるが、条件が厳しい)。

たとえば、自宅や土地、株式などが相続財産の多くを占めていても、それを売却しなければ税金が払えないということも起こりえます。

「財産はあるのに、お金が足りない」──これが、納税資金の準備が不十分だった相続人の典型的な悩みです。


◆ 納税資金の準備には、早めの対策がカギ

「備える」相続では、

  • 生命保険の活用(受取金を納税に充てる)
  • 預金・流動資産の残し方の工夫
  • 納税後の生活資金まで見据えたシミュレーション

など、“現金の確保”を意識した財産設計が必要になります。

また、家族全体の収支やライフスタイルの中で、「納税が現実的に可能か」を確認することも大切です。


◆ 「備えること」は家族の安心につながる

納税のために大切な資産を急いで売らなければならない、という状況は、相続人にとって大きなストレスになります。

そうした“困らない仕組み”をあらかじめ整えておくことは、遺された家族への思いやりであり、 「資産を受け継ぐ」ことの意味を守るための大事な準備Are.

「払える」ように備える──それは、相続後の生活と安心を支える基盤づくりでもあります。

財産を“活かす”という視点──相続を未来につなげる

相続とは、単に財産を「分ける」ことではなく、その財産を「次の世代がどう活用するか」までを見据える営みです。

残す側の立場からすれば、「せっかく築いた財産を、どうすれば有効に役立ててもらえるか」という視点を持つことが、“活かす”相続の第一歩になります。


◆ 活かされない財産のリスクとは?

相続財産の中には、

  • 空き家のまま放置される不動産
  • 相続人が価値を把握していない株式や債券
  • 使い道に困るような地方の土地

など、「価値はあるけれど活用されない」ものが含まれていることもあります。

こうした資産は、管理コストや固定資産税の負担だけが残り、むしろ相続人の負担になることもあるのです。


◆ “使いやすい形”で残すことを意識する

相続人が活用しやすい財産とは、

  • 現金や預金など、用途が自由なもの
  • 居住や賃貸に適した不動産
  • 継承・換金しやすい金融資産

などが挙げられます。

可能であれば、生前のうちに財産の内容を共有し、 「これをどう活かしてほしいか」という“思い”を添えておくことが、 相続人にとって大きな道しるべになります。

また、保有資産のバランスによっては、

  • 現金を不動産や保険に変える
  • 逆に評価額の高い不動産を売却・組み替える といった工夫によって、相続税評価額を抑える選択肢が生まれることもあります。

“活かす”とは、単に財産の用途を考えるだけでなく、 どのように残すか、そしてどうすれば価値をより多く次世代に伝えられるかという視点そのものでもあるのです。


◆ 財産に“想い”をのせるということ

「活かす」相続では、単に物やお金を渡すのではなく、

  • 教育資金としての贈与
  • 起業や夢の実現に使ってほしいという意志
  • 代々守ってきた土地への思い

など、“使い道の方針”や“家族の理念”のようなものを伝えることが鍵になります。

それは形式ではなく、「この財産がどう役立ってほしいか」という人生のバトンのようなもの。


◆ 活かされる相続こそ、次世代への贈り物

相続は「終わり」ではなく、「引き継ぎ」のスタートです。

その財産が次の世代の生活や夢、安心につながるように。

ただ残すのではなく、“活かしてもらう”ための相続を意識することが、これからの時代に求められる相続対策です。

価値ある財産を、価値あるかたちで残す──その工夫こそが、 家族の未来を支える本当の“節税”にもつながるのかもしれません。

最後に:相続は「家族の未来を考えること」から始まる

相続対策というと、制度や税金の話に目が向きがちですが、もっとも大切なのは「家族が安心して受け取れること」「その財産が価値あるかたちで次世代につながること」です。

今回ご紹介した「もめない・備える・活かす」の3つの視点は、どれも特別なことではなく、今日からでも少しずつ取り組めることばかりです。

大切な財産をどう残すか──それは、ご自身の想いとともに、未来の家族の安心と納得につながります。

まずは、自分の持っている財産の棚卸しから。そして、どんなかたちで次の世代に託したいのか、少しずつ考えてみてはいかがでしょうか。

これから、相続に関する様々な話題を分かりやすく、楽しく、丁寧にお伝えしていきたいと考えています。

次回も一緒に考えましょう!

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Person who wrote this article

CFP®/Level 1 Financial Planning Technician
Certified by the Japan Securities Analysts Association
・Primary Private Banker
・Asset Formation Consultant
Certified by the Financial and Financial Situation Study Group
・NISA Trading Advisor

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